Wednesday, February 3, 2016

Ice ride


Snow Quake from Deus Italy on Vimeo.

今から20年くらい前の正月、僕らは真冬の北海道に来ていた。
目的の一つはバイクで厳冬のT峠にアタックすること。
T峠は屈斜路湖を望む峠で厳冬期は雪に閉ざされてしまう林道である。


各自が自作したスパイクタイヤはいかにも効きそうな凶暴なものからブロックのてっぺんだけ上品にポチッと金属ピンが顔を出しているものまでいろいろある。

スパイクタイヤは当時から禁止になっていたし、そんなバイクで公道は走りたくないので
床にコンパネを敷いた丸目二灯二輪駆動のハイエースで、床も内装も激しいピンでボロボロにしながらスパイク付きのバイクを積んで行ったんだ。

車の内装をきれいに作って大切に乗ってる人が見たら卒倒しそうな光景である。

床は確かジグソーできちんと切ってゴムシートを敷いた上にコンパネを敷き詰めて
これまたピッタリサイズに切った木目のクッションフロアなんかをきれいに貼ってたけど
まあ車なんかタダの道具であってバリバリ使わないと意味がない。

それでも厳冬期の北海道で車中泊をするにあたって
内装はすべて剥がして断熱材をギュウギュウに詰め込んでたし、
天井張りの裏にもアルミ蒸着シートを貼って防寒対策をしてたっけ。
このアルミ蒸着シートは小さい明かりもたくさん反射して車の中が明るくなるんだ。

スパイクタイヤの作り方は

モトクロスタイヤのブロックの中心にドリルで穴をあける。
内側から4〜8ミリくらいまでの好きなサイズのボルトをブロックから顔を出してナットが入るまで打ち込む

タイヤから顔を出したボルトにワッシャとナットを締め込む
これはインパクトドライバーがないと相当苦しい戦いになる。

ただこの繰り返しで作ることができる。
必要なのはインパクトドライバーと根気、それだけ。

全部のピンを打ち込み終わったらシリコンシーラントと切った古チューブでタイヤの内側をカバーして、チューブが破れないようにする。

鉄のスパイクの耐久性だが、軟鉄の普通のボルトだと、
少し氷がないところを走ると一瞬でなくなっちゃう
ステンレスでもそう変わりはないが、すごい面倒なことをするんだから
ちょっとでも長持ちするように、ハイテンション鋼やステンレスボルトを使ってた。

しかしあまり長いピンで火花を散らしながら走っていると、工事の鉄板や橋のつなぎ目の鉄板で盛大にスピンして高価なゴアテックスのカッパをビリビリに破いちゃうこともある。
かと言って上品すぎるピンは山で全然威力を発揮しない。

結局のところピンが効こうがなんだろうが、 雪に閉ざされた深夜の峠をバイクで越えることがすごく楽しいんだ。
20年前の話だからさ。
真新しい熊のはっきりした足跡にビビって引き返したり、
朝エンジンが掛からないハイエースのバッテリーにバケツで温泉のお湯をぶっかけて復活させたり、外気温がマイナス20°でキャンプしたり、山の中でチェーンが外れてクランクケースに食っちゃったのを手持ちの工具で直して帰ったり。

なんというか「フルライフ」なんだ。

普段の暮らしでは僕らが生きる力なんてほとんと能力の1/10も使ってない。
でも真冬の北海道で野外生活してバイク乗って遊んでると、かなりのポテンシャルを使わないと楽しめないし、そもそも帰って来れない。
これが「フルライフ」
多分、アラスカやジャングルに比べたら「3/4ライフ」くらいだと思うけど
それでもなんだか全力で生きて全力で遊ぶのって楽しいよ。
ハーレーもトライアンフもコースでやるVMXもいいけど、僕にとってフルな感じがもう一つ足りない。

多分みんなは「つきあい切れないぜ」って言うだろうけどさ。
不思議なことにこの真冬の北海道に行った友達同士はその翌年から小さい森の中にそれぞれの家を借りてちょっとおかしいバイク村みたいにして暮らすことになるんだけど、
その話はまたいつか。
世間からつきあい切れないぜって思われてるヤツらがみんなで暮らすんだから
まわりから見たら結構なつきあい切れない遊びをしてたんだと思う。

かっこいいビデオを観てそんなことを思い出した。








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